リハビリ職こそAIを使いこなそう!明日から実践できるAI活用法

「AIって難しそう…」
「リハビリの仕事にどう役立つの?」
そう思っているリハビリスタッフの皆さん、こんにちは!
近年、急速に進化するAI(人工知能)は、私たちの仕事にも大きな変革をもたらす可能性を秘めています。実は、AIはリハビリ業務の効率化や質の向上に貢献できる、頼もしいパートナーになり得るのです。
この記事では、私が実際にAIを活用している具体的な方法や、利用する上での注意点、そして無料で試せるAIサービスについてご紹介します。AIを身近なツールとして活用し、日々の業務をアップデートしていきましょう!

今まで1年以上、5個以上のAIサービスに課金して、使ってきました。
今では、基本的な業務に落とし込んで効率化に活用しています。
どんな、業務で活用しているのかを解説していきます!
目次
私のAIの活用実践:こんな場面でAIが活躍!
私が実際にリハビリ業務や関連業務でAIを活用している場面を具体的にご紹介します。「こんなことにも使えるんだ!」という発見があるかもしれません。
1.多職種・一般の人向けの書類作成
リハビリ専門職が作成する書類は、専門用語が多くなりがちです。しかし、他職種や患者さん・ご家族に説明する際には、分かりやすい言葉で伝える必要があります。
- 活用例:
- 退院時サマリーや申し送り事項を、ケアマネージャーさんや一般の方向けに平易な言葉で書き換える。
- 患者さんやご家族へのリハビリ計画書、自主訓練メニューの説明文を、専門知識がない方にも理解できるように調整する。
- カンファレンス資料の要点をまとめ、簡潔な報告書を作成する。
AIに「専門用語を避け、中学生にも分かるように説明して」と指示するだけで、格段に伝わりやすい文章を作成できます。

担当者会議の際の利用者情報をつくるときの書き換え・整理に使っています。
口頭でコメントすることが多かったですが、書面にしてわかりやすく整理してお渡ししています。
会議の時間節約にもなって、良いですよ!
2.文章の校正
報告書や記録、学会発表の抄録など、文章作成業務は日常的に発生します。誤字脱字や不適切な表現は、信頼性を損なう可能性も。
- 活用例:
- 作成したリハビリテーション実施計画書や経過記録の誤字脱字、文法的な誤りをチェックする。
- 学会発表用の原稿や抄録について、より伝わりやすい表現や構成について提案してもらう。
- メールや連絡文書の言い回しを、相手に失礼がないか確認する。
AIによる客観的な視点が入ることで、文章の質を向上させることができます。

ヒヤリハットの文章校正や、学会発表の抄録などのですます調のチェックが楽ですね!
3.情報収集・検索要約
最新の知見やエビデンスに基づいたリハビリテーションを提供するためには、日々の情報収集が欠かせません。しかし、膨大な情報の中から必要なものを見つけ出し、理解するのは時間がかかります。
- 活用例:
- 特定の疾患に対する最新のリハビリテーションアプローチや研究論文を検索し、その概要を要約してもらう。
- 海外のガイドラインや文献を翻訳し、ポイントを把握する。
- 新しいリハビリ機器や評価バッテリーの情報を効率的に収集する。
AIを活用すれば、短時間で効率的に必要な情報をキャッチアップできます。

日常使いなら検索特化のPerplexity AI
情報の要約やリサーチならChatGPT 、Geminiなどを使っています。PDFや文章を取り込んでAIに要約をお願いしています。
4.考えの相談
新しいアイデアが欲しい時や、考えを整理したい時、AIは良き相談相手になります。
- 活用例:
- 難渋している症例に対するアプローチのアイデアをブレインストーミングする。(※最終判断は必ず自身で行い、医学的根拠に基づき判断してください)
- 院内勉強会のテーマや構成について、意見を求める。
- リハビリ計画の立案で、視点を変えた提案をしてもらう。
客観的な意見や多様な視点を得ることで、思考の幅を広げることができます。

目標設定(部署・利用者)の検討や、悩みや考えを求めるときにも役立ちます。
視点を変えた考え方や提案も解説してくれますよ。
5.Excelの関数・VBAの作成
リハビリ効果の集計やデータ管理にExcelは不可欠ですが、複雑な関数やVBAに苦手意識を持つ方もいるのではないでしょうか。
- 活用例:
- 「〇〇の条件に合致するデータを抽出して合計したい」といった指示で、適切なExcel関数を教えてもらう。
- 繰り返し行う定型的なデータ処理作業を自動化するためのVBAコードを作成してもらう。
- ROM測定結果やADL評価の点数推移を管理するシートの改善案を出してもらう。
AIに具体的な作業内容を伝えることで、業務効率を大幅に改善できる可能性があります。

管理業務でエクセルでデータベースを作成して、物品管理や加算やプログラムの記録を残すときのエクセルファイルを作成するときに「こんなことがしたい、どんな風にしたら良い?」と聞くと提案してくれます。
6.グラフ・表の作成
データや情報を視覚的に分かりやすく示すために、グラフや表は非常に有効です。
- 活用例:
- 患者さんの機能回復の経過を示す折れ線グラフの作成方法を教えてもらう。
- アンケート結果を分かりやすくまとめるための表やグラフの種類を提案してもらう。
- Excelやスプレッドシートで、見やすいグラフを作成するための具体的な手順を指示してもらう。
AIに「どのようなデータから何を示したいか」を伝えることで、適切な表現方法のヒントが得られます。

発表用でグラフや表を作るときに、範囲選択して「グラフにして」と命令するとパパッと作ってくれます。
私は、Googleスプレッドシートもよく使うのですが、Geminiとの連携も良いですね。
スプレッドシート操作しながらそのウィンドウでAIが使えます!
7.スライド作成
院内勉強会やカンファレンス、外部への発表など、スライドを作成する機会も多いでしょう。
- 活用例:
- 発表テーマに沿ったスライドの構成案(アウトライン)を作成してもらう。
- 各スライドに含めるべき内容や、効果的な図表のアイデアを提案してもらう。
- 聴衆を引きつけるためのデザインやレイアウトのヒントをもらう。
内容の整理や構成検討の時間を短縮し、より質の高いスライド作成をサポートしてくれます。

スライド作成はFeroAI!!
文章から、数分で数十枚のスライドを作成してくれます。
スライドは、修正は必要ですが叩き台ができるだけでも十分な時間短縮になりますよ!
使用上の注意点:AIを安全・有効に活用するために

AIは非常に便利なツールですが、万能ではありません。以下の点に注意して活用しましょう。
- 個人情報・機密情報の入力は絶対にNG!
- 患者さんの氏名、ID、具体的な病歴、個人を特定できるような情報は絶対に入力しないでください。匿名化されたデータであっても、取り扱いには細心の注意が必要です。医療情報は特に機密性が高いため、施設のセキュリティポリシーを必ず遵守しましょう。
- 情報の正確性を必ず確認(ファクトチェック)
- AIが生成する情報は、必ずしも最新かつ正確であるとは限りません。誤った情報や古い情報が含まれている可能性もあります。特に医学的判断や治療方針に関わる場合は、必ず複数の信頼できる情報源(論文、ガイドライン、専門書など)で裏付けを取り、自身の専門知識と照らし合わせて判断してください。
- ハルシネーションが起こる
ハルシネーションとは、AIが事実に基づいていない情報や、もっともらしい嘘の情報を、あたかも真実であるかのように生成する現象を指します。学習データにないことや文脈の誤解などが原因で起こり得ます。AIの回答を鵜呑みにせず、情報の正確性を確認(ファクトチェック)することが重要です。
- 最終判断は人間が行う
- AIはあくまで意思決定をサポートするツールです。診断、治療方針の決定、リハビリテーション計画の最終承認など、専門的な判断が求められる場面では、必ずリハビリ専門職自身が責任を持って行ってください。
- 著作権・倫理的配慮
- AIが生成した文章やアイデアが、既存の著作物を侵害していないか注意が必要です。また、倫理的に問題のある内容を生成しないように、指示の出し方にも配慮しましょう。
これらの注意点を守り、AIを賢く活用していくことが重要です。
無料使用可能!AIサービスと価格

現在、多くのAIサービスが提供されており、その多くが無料から試すことができます。ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
- ChatGPT (OpenAI)
- 特徴: 自然な文章生成、質問応答、要約、翻訳など、幅広いタスクに対応。対話形式で利用できるため、直感的に操作しやすい。
- 価格: 無料版(GPT-3.5ベース)、有料版20〜200ドル(GPT-4など、より高機能・高速)あり。
- リハビリでの活用例: 文書作成、アイデア出し、情報収集の最初のステップとして。
- Gemini (Google)
- 特徴: Google検索との連携が強く、最新情報へのアクセスに優れているとされる。マルチモーダル(テキスト、画像、音声など複数種類の情報を扱える)対応も進んでいる。
- 価格: 無料版、有料版2900円〜(より高機能なモデル)あり。
- リハビリでの活用例: 最新の研究動向調査、専門用語の解説、Googleドキュメントやスプレッドシートとの連携。
- Felo AI(日本製)
- 特徴: 日本製であることを強みとし、日本語のニュアンスや国内の事情に合わせたチューニングが期待されるAIサービス。
- 価格: 無料、有料2099円〜プランあり
- リハビリでの活用例: 日本語での自然な文書作成、国内の制度や情報に基づいたリサーチ補助など。(※具体的な機能はサービス提供状況によります)
- Perplexity AI
- 特徴: 回答の情報源(ソース)を明示してくれるため、ファクトチェックがしやすい。学術論文や信頼性の高い情報を探すのに便利。
- 価格: 無料版、有料版20ドル、あり。
- リハビリでの活用例: エビデンスに基づいた情報収集、論文検索の補助、特定の治療法に関する研究の概要把握。
これらのサービスは日々進化しています。まずは無料プランで実際に触れてみて、自分に合ったAIツールを見つけるのがおすすめです。
理学療法士の仕事はAIに奪われるか?
AIには奪われない、でも
「AIをうまく使う理学療法士と使わない理学療法士は、仕事量・成長に大きな差がつく」と思います。

あくまでもAIは道具ですよ。
道具はうまく使えれば仕事も早くなります。使わないとうまくなりません。
仕事にも勉強にも、日常的なことにも使えるAIを使わない理由にはなりません。
まとめ:AIをリハビリの現場で活かす未来へ

AIは、リハビリテーション専門職の業務を多岐にわたってサポートしてくれる強力なツールです。書類作成の効率化から情報収集、アイデア創出まで、その活用範囲は広がっています。
もちろん、AIには限界があり、最終的な判断は私たち専門職が行う必要があります。しかし、AIを恐れるのではなく、その特性を理解し、賢く活用することで、私たちはより質の高いリハビリテーションを提供し、患者さん中心のケアに多くの時間を割けるようになるでしょう。
まずは、身近な業務でAIを試してみませんか?この記事が、皆さんのAI活用の第一歩となれば幸いです。
免責事項:
この記事で紹介したAIの活用法やサービスは、2025年5月現在の情報に基づいています。AI技術は急速に進化しているため、最新の情報は各サービスの公式サイト等でご確認ください。また、AIの利用にあたっては、ご自身の所属する組織の規定や関連法規を遵守してください。医学的判断を含む業務へのAIの適用は、専門家の監督のもと慎重に行ってください。