【学び続けても報われない?】リハビリスタッフが報われる自己投資!

あなたは、報われる自己投資ができていますか?
- 勉強してもしなくても給料は一緒
- 自己投資が報われている気がしない
- 勉強ばかりにお金がかかる
医療職として継続的な勉強は必要ですよね?しかし、自己投資して成果を出しても給料に反映されない。
これは、医療・介護業界の報酬構造に課題がある為です。社会や制度は個人レベルでは変えることができません。
でも、自分の行動は変えることができます。これから、報われる自己投資をしませんか?

この記事では、10年以上デイケア管理職をしている経験を踏まえ
仕事の向き合い方に悩むリハビリ職が報われる自己投資の考え方と実践をまとめています。
ぜひチェックしてください!
目次
リハビリ職の給与状況と自己投資の悩み
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収は約433万円(※企業規模計10人以上、平均年齢35.5歳、勤続年数7.4年)とされています。一方、同調査における全産業の平均年収(役職者等も含む)は約500万円を超える水準であり、専門職としての学びの対価が給与に十分に反映されているとは言えない状況が続いています。特に、月給の差以上に賞与(ボーナス)の差が大きい傾向も見られます。(出典:賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種、PTOT人材バンク、mikaru.jpなどの業界情報サイトの分析を参照)

学会参加費、専門書の購入、休日の研修…自己投資は増える一方なのに、それが直接的な昇給に結びつきにくい。この現実に、多くのセラピストが複雑な思いを抱えています。
なぜ専門性を高める努力が給与に反映されにくいのか、その構造的な問題点を掘り下げつつ、それでも私たちが学び続けるべき理由、そしてその学びを「収益化」するための具体的な選択肢として「副業」に焦点を当て、新しいキャリア戦略を提案します。
なぜ?学びが給与に直結しにくい5つの構造的問題

セラピストの皆さんの努力が、必ずしも給与アップに結びつかない背景には、いくつかの構造的な要因が考えられます。
- 出来高制中心の診療報酬制度
- 現在の医療保険制度では、個々のセラピストの専門性やスキルレベルによって診療報酬点数が大きく変わることはありません。そのため、どれだけ高度な技術を身につけても、それが直接的に所属施設の収益増に繋がりにくく、結果として個人の給与にも反映されにくいのです。
- 職能ランクやアウトカム評価制度の未整備
- 「専門理学療法士配置加算」のような、高度な専門性を持つセラピストの配置を評価する診療報酬は限定的です。また、院内においても、個々のセラピストの臨床成果(アウトカム)を客観的に評価し、それを昇給や昇進に明確に結びつける制度が十分に整備されていない施設も少なくありません。
- 公的医療機関における人事院勧告等の影響
- 公立病院やそれに準じる施設では、給与体系が人事院勧告や地方自治体の給与条例に準拠している場合が多く、民間企業のような成果連動型の柔軟な給与改定が難しい側面があります。
- 労働市場における供給の増加傾向
- 養成校の増加に伴い、若手のセラピストの供給が増えています。これにより、特に経験の浅い層においては、買い手市場(雇用側有利)となりやすく、全体の平均賃金を押し上げる圧力が弱まっている可能性があります。
- 専門性の社会的な認知度と評価
- 例えば「認定看護師」のように、特定の専門分野における高度な知識・技術を持つことの社会的認知度や、それに対する評価が、セラピストの分野ではまだ十分とは言えないかもしれません。これが、外部評価としての給与水準にも影響している可能性があります。
それでも私たちが学びを止めてはいけない3つの理由
給与に反映されにくい現実があったとしても、専門職として学び続けることには、それを補って余りある重要な意味があります。
理由 | 期待できる効果 |
① 臨床アウトカムの向上 | 患者さんの満足度向上、在院日数の短縮、QOLの改善などに繋がり、結果として所属施設の評価を高める。 |
② キャリアの多様化 | 管理職、教育・研究職、専門分野のスペシャリストなど、将来のキャリアパスが広がる。 |
③ 副業・転職市場での強み | 高い専門性は、副業やより良い条件を求めて転職する際の強力な「武器」となり、自身の市場価値を高める。 |
無駄な自己投資をしない為の考え方
目的に対して、なにをするのか考えよう!
リハビリ職を取り巻く環境は、勉強すれば給与があがる・成果を出せば給与が上がるというものではありません。また、自己投資の目的は給与を上げることだけではありません。
大事なことは、自分の目的にあった自己投資をすることです。
- 患者さんを良くしたい?
- ゆとりを持って仕事をしたい?
- 収入を増やしたい?
あなたの、自己投資の目的はなんですか?リハビリマネジメントでゴール設定が重要です。
自己投資も同じです。
- 時間がほしい(ストレスの緩和)
- 良いリハビリを提供したい(仕事へのやりがい)
- 収入をあげたい(お金)
大切なのは具体的にすることです。
大切なのは具体的にすること(超重要なので2回言いました!)
具体的になればなるほど、行動の内容が決まります。一例として、抽象的な目標を具体化して、行動内容の設定した表を示しています。
抽象的な目標 | 具体的な目標(例) | 行動内容(具体的施策) |
時間を効率化したい | ・パソコンでの記録時間を短縮したい・書類の文章作成を素早くしたい | ・タイピングの練習をする。 (ネット上で無料で可能)・AIの活用法を学ぶ |
より良いリハビリを提供したい | 脳卒中患者に対するアプローチ方法の拡大 | ・週2本の論文読解 ・週1回先輩に質問をする |
収入を増やしたい | 半年以内に副業で月5万円以上の収入を得る | ・専門性を活かしたブログや講座を開設 ・note/YouTubeで情報発信 ・リラクゼーションセラピストに取り組む |
成果の出る自己投資のために、自分を見つめ直すことが大切です。
行動内容が決まったら、あとはやるだけです!
学びを「収益化」する最適解――副業という選択肢
専門性を高める努力が本業の給与に直結しにくいのであれば、その知識やスキルを別の形で「収益化」する道を考えてみてはいかがでしょうか。その有力な選択肢が「副業」です。
副業には、単に収入源を増やすだけでなく、以下のようなメリットがあります。
- 収入源の分散: 本業以外の収入源を持つことで経済的な安定性が増す。
- やりがいの獲得: 自分の専門性を活かして直接的に他者に貢献し、感謝される経験が得られる。
- スキルアップの相乗効果: 副業で得た新たな知見や経験が、本業の臨床にも活かせる。
- 税制上のメリット: 条件を満たせば、経費計上や青色申告特別控除などにより節税効果も期待できる。
実際に、米国理学療法士協会(APTA)の調査では、専門認定資格を持つ理学療法士は、そうでない理学療法士と比較して平均的に年収が高いというデータも報告されており、専門性が直接的な経済的価値に結びつくことを示唆しています。(出典:APTAの専門資格に関する情報や関連調査を参照。具体的な金額は調査年によって変動するため、最新のAPTAの公表資料をご確認ください。)
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士に相性の良い副業アイデア5選
セラピストの専門知識やスキルを活かせる副業には、以下のようなものがあります。
- 自費リハビリテーション&パーソナルトレーニング
- 保険診療の枠にとらわれず、個別のニーズに合わせた質の高いサービスを提供。料金も自分で設定可能です。
- オンライン講座・教材作成(Udemy、note、STORESなど)
- 臨床で伝えきれない専門知識やセルフケア方法などを動画やPDF教材として作成・販売。
- リハビリ特化型ブログ・YouTubeチャンネル運営
- 専門知識を分かりやすく発信し、SEO対策や広告収入(Google AdSense)、アフィリエイトで収益化を目指す。
- 医療機器・福祉用具・ヘルスケア商品のアフィリエイト
- 臨床経験に基づいた客観的かつ専門的なレビューは、読者からの信頼を得ることができれば、成果に繋がりやすい。
- 業務委託でのリラクゼーションセラピスト
- 解剖学・触診技術を活かせる。再現性高く、1月程度で収入の発生が可能。
わたし自身リラクゼーションセラピストを副業にして収入アップしています。
副業に興味のある方はこちらの記事もどうぞ。

副業を成功させるための3つのステップ
副業を始めるにあたっては、計画的に進めることが重要です。
- Step1:自己分析と市場ニーズの把握
- 自分の強み(専門分野、得意な手技、コミュニケーション能力など)を徹底的に棚卸しする。
- その強みが、どのような市場(ターゲット層)のどのような未充足ニーズに応えられるのかをリサーチし、勝てる領域を見極める。
- Step2:「小さく始めて検証」するMVP(Minimum Viable Product)思考
- 最初から完璧を目指さず、まずは最小限の労力とコストで提供できるサービスや商品(例:30分のオンライン相談、ブログ10記事、簡単な教材)をリリースし、市場の反応を確かめる。
- Step3:仕組み化・効率化で時間単価を上げる
- 反復作業はテンプレート化する、動画講座のように一度作れば継続的に収益を生むコンテンツを作る、一部業務を外注するなどして、自分の時間を効率的に使い、時間単価を高めていく。
「学び」×「副業」でキャリアをダブルエンジン化する方法
日々の学びと副業を連携させることで、キャリア全体を加速させることができます。
- 学習テーマの掛け算で希少性を高める:
- 例:「臨床(脳卒中リハビリ)」×「デジタル(プログラミング、データ分析)」×「経営(マーケティング、組織運営)」など、複数の専門性を掛け合わせることで、独自の強みを持った人材になる。
- 成果の可視化で評価を高める:
- 例:副業で開発したリハビリ支援アプリのダウンロード数、運営するブログのアクセス数、患者さんの改善事例をまとめたレポート(Power BIやLooker Studioなどで視覚化)などを提示し、院内での評価や新たな仕事(講師依頼など)に繋げる。
- 副業実績を本業の交渉材料に:
- 副業での具体的な実績(売上、顧客からの評価、フォロワー数、講座の満足度など)を職務経歴書や面談資料に盛り込み、本業での昇進や待遇改善の交渉材料として活用する。
よくある質問(FAQ)
Q1. 勤務先の病院に副業を申請する際のコツは?
A1. まずは就業規則や(公務員の場合は)地方公務員法などの兼業規定を必ず確認しましょう。その上で、事前に上司に相談することも円滑に進めるポイントです。公務員などの一定の雇用状況を除き、勤務時間外の副業に制限はありません。
Q2. 副業の所得はどの区分になり、税金はどうなりますか?
A2. 副業の内容や規模にもよりますが、個人で行う場合は「事業所得」または「雑所得」になるのが一般的です。年間の所得(収入から経費を引いた額)が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。住民税は所得があれば金額にかかわらず申告が必要です(確定申告をすれば別途の手続きは不要な場合が多い)。青色申告を選択し、要件を満たせば最大65万円の特別控除が受けられるなど、節税メリットもありますので、税理士や税務署に相談することをおすすめします。
Q3. 副業のための時間管理はどうすれば良いですか?
A3. 無理なく継続するためには、時間管理が非常に重要です。本業に支障が出ないよう、休息もしっかりとることが大切です。タスク管理ツールなども活用し、効率的に作業を進めましょう。
まとめ──学びをお金に換え、未来を選べるセラピストへ

日本の医療制度や雇用環境において、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の皆さんの「学び」が、必ずしも本業の「給与アップ」に直結しにくい構造があるのは事実です。
しかし、だからこそ、その専門知識やスキルを「副業」という形で直接マネタイズし、学びの経済的なリターンを自ら確保するという発想が、これからの時代を生き抜く上でますます重要になってきます。
まずは小さな一歩から。自分の強みを活かせる副業を試し、その成果を客観的に示せるように工夫しましょう。そうすることで、本業での評価向上や、より良い条件でのキャリアチェンジ、そして何よりも自分自身の可能性を広げ、「本業+副業」というダブルエンジンで、より自由で豊かなキャリアを築いていくことができるはずです。
「勉強は好きだけど、将来のキャリアや収入が不安…」そう感じているあなたが、学び続けることこそが最大の自己投資であり、未来を切り拓く力になることを実感できる日が来ることを心から応援しています。
自分の力で、収入を上げたいPTはこの記事もご覧ください。
